大腸ポリープ
大腸ポリープは、大腸粘膜の一部が隆起した病変であり、直腸やS状結腸に多くみられます。ポリープのサイズは様々ですが、数ミリ~1センチ程度のことが多いです。主な症状についてですが、小さなポリープでは大部分が無症状です。しかし、大きなものでは便への血液の付着や便潜血が起こってくるため、健康診断での便潜血検査を欠かさずに受けておくことが重要です。
大腸ポリープのタイプ
大腸ポリープは、大きく腫瘍性と非腫瘍性に分けられます。このうち腫瘍性ポリープは、腺腫とも呼ばれており、小さなうちはほとんどが良性です。しかし、大きくなるに伴って部分的に小さながんが生じることがあります。放置していると腺腫の一部ががんになることがあるので、「前がん病変」ともいわれています。腺腫は環境要因と遺伝要因が影響し合って起こると考えられています。とくに、食習慣によってリスクが高くなります。脂っこい料理が好きな方、繊維の豊富な食物をあまり摂取しない方は十分にご注意ください。
一方、非腫瘍性ポリープには、小児に多い若年性ポリープ、高齢者に多い過形成性ポリープ、腸炎後にみられる炎症性ポリープなどがありますが、いずれも良性で、がん化することはほとんどありません。ただし、腫瘍性・非腫瘍性の見極めが必要になるので、定期的に消化器内科を受診し、大腸カメラ検査を受けておくようにしてください。
治療について
大腸ポリープの治療は、ポリープのタイプやサイズなどによって異なります。腫瘍性ポリープであると判定され、そのサイズが5㎜以上の場合は、がん化していく可能性もあるので、基本的には切除による外科的治療が行われます。なお、線種性ポリープか否かの判別が難しいケースでも、ポリープのサイズが5㎜以上のときは切除の対象となります。手術方法に関しては、ポリープの形状などを考慮しつつ、内視鏡による切除が基本となります。詳細については、患者さんに直接ご説明させていただきます。