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胃カメラ検査

胃カメラ(上部消化管内視鏡)について

上部消化管内視鏡は、CCDカメラが搭載された電子コープです。これを口、または鼻から挿入することにより、食道や胃・十二指腸の内部を直接観察することができます。一般的には「胃カメラ」という名称でよく知られています。食道炎や食道腫瘍、胃の炎症やポリープ、胃の腫瘍などを早期発見するには、胃カメラ検査が役立ちます。また、鉗子なども備わっているので、病変が発見されたときは、組織の一部を採取して病理検査を行ったり、直接治療を行うこともできます。

当院の胃カメラ検査の特徴

当院では、胃がんや食道がん胃潰瘍・十二指腸潰瘍を早期発見するため、必要に応じて胃カメラ検査を行っていきます。なお、胃カメラ検査は予約制を基本としていますが、当日の検査もご相談可能です。その場合は、前日の夕食を早めに済ませ(21時までが理想です)、当日の朝食を摂らずにご来院ください(検査前まで少量の飲水可能です)。また、午後の時間を活用し胃カメラ検査を受けることも可能です(イブニング内視鏡検査・イブニング胃カメラ)。この場合は、朝食を早めにおとりいただきお昼を抜いて、少量の水分摂取に制限して頂きご来院ください。
女性医師による検査も行っておりますのでお問い合わせください。

経験豊富な専門医が検査を行います

胃がんなどの病気を早期発見するには、経験豊富な専門医による胃カメラ検査が不可欠です。当院では、数千例の内視鏡経験を有する日本消化器内視鏡学会の消化器内視鏡専門医である院長が中心となり、胃カメラ検査を行っております。これにより、粘膜の微細な変化をきちんと把握し、治療の必要性を判断していきます。短時間で検査が行えるため、患者さんの負担も大幅に軽減されます。検査を行った後は、胃などの内部の状態を患者さんにもお伝えするので、不安なこと、疑問点などがございましたら、すぐに確認することもできます。

検査時の苦痛を軽減します

胃カメラ検査を初めて受ける方は、検査時の痛みを心配されることもあると思います。また、以前検査を受けたときに苦しい思いをした患者さんもいらっしゃいます。当院では、こうした苦痛や不安を軽減するため、患者さんのご希望に合わせて鎮静剤を使用した無痛内視鏡検査を行っています。
この場合、ほとんど眠った状態で受けられるので、特段の痛みを感じないうちに検査が終了します。嘔吐反射が強い方でも、検査を受けやすくすることができます。空気で胃を膨らませる際に伴う苦痛も軽減されますので、入念な検査も可能となります。なお、検査終了後は鎮静剤が覚めるまで院内で休憩していただきます。

経口・経鼻、どちらの内視鏡検査も選べます

当院では、胃カメラ検査を受ける際に、口から挿入する「経口内視鏡」と、鼻から挿入する「経鼻内視鏡」のどちらかをお選びいただけます。
経鼻内視鏡では、極細スコープを使用するため、舌の付け根に触れることがなく、強い嘔吐反射が起こりにくいのが特徴です。鎮静剤を使用しない場合でも比較的楽に受けられます。
一方、経口内視鏡では、軽い鎮静剤を使用することで、苦痛を感じることなく検査を受けることができます。
検査前には、それぞれの特徴をわかりやすくご説明し、患者さまのご希望やご体調をふまえて、より適した方法を一緒に決めていきます。

最新内視鏡「GIF -N1200」内視鏡を導入

当院では、X1同様にオリンパス社の最新最上位機種である「GIF -N1200」内視鏡を導入しております。新しく開発されたCMOSイメージセンサーによりノイズの少ないハイビジョン画像(低ノイズハイビジョン画像)を実現しました。また、改良された光学系と、高精度のレンズ組み立て技術の確立によって、明るさを確保し、微細な血管や粘膜の表面もリアルに再現することが可能となり、正確な診断を行うことが可能です。
また、患者様への経口または経鼻挿入における苦痛低減を目指し、挿入部にはより柔らかい素材を採用。同時に十二指腸への挿入性に貢献する適度なバランスを保っている内視鏡です。

最新内視鏡システム「EVIS X1」を導入

当院では、内視鏡医療の世界的リーディングカンパニーであるオリンパス社の最新機種「EVIS X1」を導入しています。このモデルは約8年ぶりのフルモデルチェンジにより開発され、より精密な診断を可能とする先進機能を多数搭載しています。NBI(狭帯域光観察)、TXI(構造・色調強調観察)、RDI(赤色光観察)、EDOF(拡張焦点深度)といった最先端の画像処理技術により、微細な病変の早期発見をサポート。高精度な観察が可能で、拡大しても鮮明な画像を保ちます。特に消化器粘膜の微細な変化を捉える能力が向上しており、がんの早期診断に大きく貢献しています。

EDOF(拡張焦点深度技術:Extended Depth of Field)

近距離と遠距離、異なる距離にピントを合わせた複数の画像を合成することで、広い焦点範囲を確保したクリアな内視画像を生成します。これにより病変部位の精密な観察が可能になり、検査時間の短縮や患者さんの負担軽減にもつながっています。

RDI(赤色光観察:Red Dichromatic Imaging)

オリンパス独自の技術で、特定波長(緑・アンバー・赤)の光を利用して、深部の血管や組織のコントラストを強調する観察法です。深部の血管構造が見えやすくなることで、迅速な止血や安全な内視鏡処置が可能になります。

TXI(構造・色調強調機能:Texture and Color Enhancement Imaging)

通常の光では見えにくい色の変化や組織構造の微妙な差異を強調表示します。粘膜の細かな凹凸や色調をわかりやすく描出することで、病変の早期検出を支援します。

NBI(狭帯域光観察:Narrow Band Imaging)

毛細血管や粘膜表面の微細なパターンを強調する技術で、内視鏡先端のボタン操作ひとつで簡単に切り替えが可能です。短時間で精密な観察が行えるため、患者さんの負担が軽減されます。

内視鏡システム(本体)もしくはカメラ(内視鏡)どちらかのみ最新式を導入している施設が見受けられますがそれぞれの性能を最大限に生かすためには、この2つの組み合わせが必須であり、当院ではさらに、4Kパネルを利用することで、これらのスペックを最大限に生かして検査を行うことが可能、その精度は大規模病院と同水準に検査を受けていただくことが可能です。

大腸カメラとの同日検査も行えます

胃カメラ検査と大腸カメラ検査の両方が必要になった患者さんについて、当院では同日検査も行えます。その場合、事前の食事制限も1回だけなので、患者さんの負担も少なくて済みます。全体の検査時間に関しても、胃カメラと大腸カメラを別個に行うときよりも短くて済みます。また、同時に行う場合も鎮静剤(無痛カメラ・無痛内視鏡検査)使用が可能です。

大腸カメラ検査について

土曜日・平日午後も胃カメラ検査が可能です

平日はお仕事やご予定でなかなか時間が取れない方のために、当院では土曜日にも胃カメラ検査を行っています。
お休みの日を活用して、無理なく検査を受けていただけますので、忙しい方も安心してご相談ください。
また、胃カメラ検査は食事制限が必要のため、一般的には午前中検査をすることが多いですが、当院では、胃カメラを午後に行うことも可能であり、午前中ご自身の用事を済ませた後、午後の時間を活用し検査をお受けいただくことも可能です(イブニング胃カメラ・イブニング内視鏡検査)。

専門病院とも連携しています

胃カメラ検査の結果、胃がんなどの治療が必要になったときには、当院と連携している専門病院をご紹介いたします。その際には、当院で行った内視鏡検査のデータをお渡しいたしますので、専門病院での検査を効率化することができます。これにより、患者さんのご負担も少なくて済みます。

徹底した器具の洗浄と感染対策

徹底した器具の洗浄と感染対策内視鏡検査では、感染予防を徹底し、安全な検査環境を提供しています。ディスポーザブル製品を可能な限り使用し、再利用が必要な器具については、日本消化器内視鏡学会の厳格なガイドラインに従って、専用の洗浄機で丁寧に洗浄・消毒を行い、患者さんごとに清潔な器具をご用意しています。徹底した管理体制により、安心して検査を受けていただけます。

このような方に胃カメラ検査をお勧めします

 

  • みぞおちの付近に違和感がある
  • 食後に胸やけすることがある
  • 食事の際にのどの辺りが染みる
  • 喉元に違和感を感じる
  • 吐き気がする
  • 食べ物などを嘔吐することがある
  • 胃の辺りが痛い
  • 何度も下痢を繰り返す
  • 便秘がちだ
  • 血を吐いたことがある
  • 黒い便が出てきた
  • 体重が減ってきた
  • 胃がんになった家族がいる
  • タバコを吸っている
  • お酒を飲み過ぎることがある
  • 便潜血検査で陽性となった
  • 胸が痛く心臓の検査をしたが異常は無いと言われた
  • 咳が続いており呼吸器科を受診したが異常はないと言われた
  • 喉元に違和感を感じ耳鼻科を受診したが異常ないと言われた

食道・胃内視鏡検査で発見が可能な病気

食道

  • 逆流性食道炎
  • 食道びらん
  • 食道裂肛ヘルニア
  • バレット食道
  • 食道がん
  • 食道アカラシア
  • 好酸球性食道炎

など

  • 胃炎
  • 胃潰瘍
  • 萎縮性胃炎
  • びらん性胃炎
  • 表層性胃炎
  • 胃ポリープ
  • 胃アニサキス症
  • 急性胃粘膜障害
  • ピロリ菌感染の有無
  • 胃がん
  • 胃粘膜下腫瘍(神経内分泌腫瘍、脂肪腫など)
  • 好酸球性胃腸炎

など

十二指腸

など

咽頭

  • 咽頭ポリープ
  • 咽頭がん
  • 粘膜下腫瘍
  • 咽喉頭酸逆流症
  • 壁下性圧排

など

胃カメラは、食道・胃・十二指腸といった上部消化管の粘膜の状態を詳しく調べる検査ですが、スコープを挿入する際には喉(咽頭)の粘膜も通過します。当院ではこの機会を活かし、咽頭部の粘膜状態も丁寧に観察し、病変の早期発見につなげています。

胃カメラの種類

胃カメラには、鼻から内視鏡を挿入する「経鼻内視鏡」と、口から挿入する「経口内視鏡」があります。当院では、どちらのタイプにも対応しております。なお、それぞれのメリット・デメリットは下表をご覧ください。

経鼻内視鏡と経口内視鏡の特徴

  メリット デメリット
経鼻内視鏡
  • カメラの直径が細いです
  • 嘔吐反応が起こりにくいです
  • 検査中に医師と会話できます
  • 鎮静剤をあまり使いません
  • 血圧などの変動が少なめです
  • 当院の内視鏡は経口と遜色ありません
  • 鼻出血することがあります
  • 鼻の奥が痛くなることがあります
  • 止血処置などに制限があります
  • 副鼻腔炎の方は行えません
  • アレルギー性鼻炎の方は注意が必要です
経口内視鏡
  • 以前は経鼻内視鏡に比べて詳細に胃粘膜などを確認でき、より高度な検査を行えるとされておりましたが、当院ではどちらも差がなくともに詳細な検査が行えます
  • 鼻腔が狭くても大丈夫です
  • 嘔吐反射が起こりやすいです
  • 鎮静剤を使うことが多いです
  • 妊娠中は行えないことがあります

胃カメラ検査を受ける適切なタイミングについて

初期段階の胃がんは、自覚症状が現れにくく、症状が出る頃にはすでに進行しているケースが多く見られます。そのため、胃がんを早期に発見するためには、症状がないうちに胃カメラ検査を受けることが重要です。一般的に胃がんのリスクは40歳を過ぎた頃から高まるとされており、これまで一度も検査を受けたことがない方は、40歳を機に一度検査を受けることをおすすめします。特に、ご家族に胃がんの既往がある場合などは、より早い段階での検査が望ましいでしょう。
胃カメラ検査は、早期の小さな胃がんを見つけ、確定診断まで可能な唯一の検査です。また、胃がんの前段階とされる病変や、ピロリ菌感染の有無なども確認できるため、将来的な胃がん予防やリスク評価にも役立ちます。
健康診断や人間ドックでバリウム検査を行ってきた方も積極的に胃カメラ検査を受けられることをお勧めいたします。

次のような方は、できるだけ早めに胃カメラ検査を受けましょう

 

  • これまでに胃カメラを受けたことがない40歳以上の方
  • 日常的に喫煙や飲酒をされている方
  • 以前に胃潰瘍や胃炎などの既往がある方
  • ご家族に胃がんやピロリ菌感染歴のある方がいらっしゃる場合
  • 胃の痛み、胸やけ、もたれなどの症状が気になる方

当院では、日本消化器内視鏡学会の専門医資格を持つ院長ならびに同じく専門医を保有する院長の信頼のおける経験豊富な医師が内視鏡検査を担当しております。わかりやすく丁寧な説明と、苦痛をできる限り軽減した安全性の高い検査を提供しており、ご希望に応じて鎮静剤を用いた無痛検査にも対応可能です。胃カメラに不安がある方も、どうぞ安心してご相談ください。

胃カメラ検査の流れ

胃カメラ検査の流れは、患者さんの状態などによっても異なるのですが、一般的には下表のような手順となります。なお、詳細については、検査を受けられる患者さんに直接ご説明させていただきます。

1検査前日の注意点

・検査前日の食事は午後9時までに済ませてください。
原則として食事内容に制限はありません。(制限が必要なときは事前にご説明いたします)
午後10時以降の食事は慎んでください。(水やお茶の摂取は問題ありません)
・午後に胃カメラを受けられる方(イブニング胃カメラ・イブニング内視鏡検査)は、検査当日の朝食は午前8時までに済ませてください。
原則として食事内容に制限はありません。
朝食の後の食事は謹んで下さい。(お水やお茶の摂取は問題ありません)

2検査当日の注意点(来院前)

検査当日の朝、イブニング検査は昼は絶食となります。
水分については、コップ一杯程度の水やお茶であればかまいません。
常用薬の服用の可否については、ご予約時に説明いたします。
鎮静剤を使用する検査を受けられる方は、ご自身の運転(車・バイク・自転車など)によるご来院は控えてください。

3来院後の流れ(検査の準備)

来院後は、まず胃の中を観察しやすくするために消泡剤を服用します。
咽頭麻酔薬を使用します。
鎮静剤を投与します。(無痛法の希望者のみ)

4検査の開始

検査台に横になり、内視鏡を鼻もしくは口から挿入します。
食道や胃、十二指腸などの粘膜を観察していきます。
検査中、医師に話しかけることもできます。(経鼻内視鏡の場合)
検査中、唾液が口に溜まった場合は、飲み込まずに口の外に出してください。
検査時間は概ね5分程度です。(検査のみの場合)
病変の疑いがある組織を発見したときは生検にて組織検査を行うこともあります。

5検査の終了

検査の終了後は、回復室でしばらくお休みいただきます。(鎮静剤を使用した場合)
検査後、1時間程度は飲食をお控えください。(生検を行ったときは、医師の許可が出てから飲食してください)
検査後2~3日はアルコールや香辛料などの刺激物を控え、消化の良いものを召し上がるようにしてください。
検査当日は、ご自身の運転(車・バイク・自転車など)をお控えください。

検査後の注意点

詳細については、検査を受けられる際にご説明させていただきますが、検査後の注意点としては、下表のようなものがあります。

  • 経鼻内視鏡検査を受けた後は、鼻を強くかまないでください
  • 経鼻内視鏡によって鼻出血が起こりやすいことがあるので、しばらく安静にしてください
  • 検査後は1時間程度、飲食をお控えください
  • 生検を行ったときは3時間程度、飲食をお控えください
  • 検査後の数日間はアルコールや香辛料などの刺激物を控えてください
  • 検査当日は消化の良いものをとるようにしてください
  • 検査当日の車の運転は避けてください
  • 検査後にお腹が張ることがありますが、通常は徐々に治まります
  • ただし、腹痛などが強いときは、すぐにご連絡ください

胃カメラ検査の費用

当院では胃内視鏡検査(胃カメラ)を保険診療で行っております。

検査費用 1割負担 3割負担
初診(感染症採血含む) 約700円 約2,000円
胃カメラ検査のみ 約2,000円 約6,000円
胃カメラ検査・病理検査 約3,000~4,000円 約10,000円
胃カメラ検査・ピロリ菌検査 約2,500円 約7,500円

※初診料、採血代、超音波検査代は別途必要となります。
※費用は現金、クレジットカード対応(一括のみ)

院長 君島 映

この記事の執筆者

略歴

  • 東京女子医科大学 消化器病センター
  • 筑波胃腸病院
  • 防府消化器病センター
  • 医療法人社団 中山会 八王子消化器病院
  • 医療法人社団 松弘会 三愛病院

資格

  • 日本消化器病学会 消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
  • 日本外科学会 外科専門医
  • 日本消化器外科学会 消化器外科専門医
  • 日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医
  • 日本膵臓学会 指導医
  • 日本医師会 認定産業医
  • 厚生労働省 臨床研修指導医
  • 緩和ケア研修会 修了
  • 保険医
  • 難病指定医
  • 四段階注射法 講習会修了

所属学会

  • 日本外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本膵臓学会
  • 日本消化器病学会
  • 日本消化器内視鏡学会
  • 日本再生医療学会 正会員