過敏性腸症候群

過敏性腸症候群イメージ

過敏性腸症候群は、主にストレスが原因となり、腸が慢性的な機能異常を起こしている状態です。潰瘍性大腸炎や大腸がんなどとは異なり、炎症や潰瘍などの器質的な病変は伴わないのですが、下痢や便秘、腹痛、下腹部の張りなどの症状に悩まされます。大腸などは、緊張、不安、ストレスなどの影響を受けやすい器官だと考えられています。そのため、患者さんが強いストレスを感じると、消化器症状が起こりやすくなるのです。精神的なストレスがなかったとしても、疲れがたまっている方、脂っこい料理を食べ過ぎる方、お酒を飲み過ぎる方、生活習慣が不規則な方が過敏性腸症候群になるケースもあります。

主な症状について

過敏性腸症候群は、よくみられる症状の違いにより、便秘型、下痢型、混合型に分けられます。このうち便秘型は、腹部の痛みや張りを伴う便秘が特徴的であり、女性に多いタイプだといわれています。下痢型は、文字通り下痢が繰り返されるタイプであり、男性によくみられるといわれています。混合型は、便秘と下痢の両方が繰り返されるタイプです。このほか、3つのどのタイプにも当てはまらない機能異常を起こすケースがあり、分類不能型と診断されます。

過敏性腸症候群の検査

過敏性腸症候群の患者さんは、器質的な病気がみられません。つまり、検査によって過敏性腸症候群を見つけるわけではないのですが、診断をつけるためには、何の病変もないことを確認する必要があります。そのため、バリウム造影検査、腹部CT検査、大腸カメラ検査などをすることがあります。

主な治療について

過敏性腸症候群の治療は、患者さんが訴えている症状などを考慮して決めていきます。例えば、腸を整える必要があると医師が判断したときは整腸剤を処方します。下痢の症状があるときは、下痢止めなどを使用していきます。発症の原因がストレスと考えられる場合は、ストレスを緩和させるために抗うつ薬や抗不安薬を使います。基本的にはこうした薬物療法によって症状を改善させていきますが、さらに生活習慣を見直すための食事療法や運動療法を取り入れることもあります。

院 長
君島 映
診療科目
内科、消化器内科、内視鏡内科、外科
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