便潜血検査
便潜血検査は、肉眼では確認することが困難とされる微量な血液も調べることができる検査です。消化管内でのわずかな出血も確認することができるので、大腸がんのスクリーニング検査としてよく行われます。この検査にはいくつかの方法がありますが、職場や自治体などで定期的に行われる健康診断では、主に便潜血二日法が行われます。この場合、二日続けて便を採取し、専用の容器に入れて健診医療機関に提出します。これを専門の検査機関で調べることにより、大腸などから出血した便がみられるかどうかを把握できます。
便潜血陽性となったときは
便潜血検査で陽性と判定されたときは、便中に血液が混じっている状態なので、さらなる検査が必要になります。なお、この段階では病気の有無を判断することはできません。たまたま肛門部を強く刺激してしまい、出血してしまったというケースもあるのです。しかし、大腸の中を通る大便が悪性腫瘍やポリープに触れ、こすれるなどして出血した可能性も否定できないので、必ず精密検査を受けるようにしてください。
大腸カメラによる精密検査
便潜血検査陽性の判定を受けた場合は、出血の原因を調べるための精密検査として大腸カメラを行っていきます。これによって大腸がんの有無などを把握することができます。なお、便潜血検査で陰性の判定を受けたときでも、下痢や便秘が続いている、慢性的な腹痛に悩まされている、便が細い状態になっている、などの症状がみられるときは、なるべく早い時期に消化器内科を受診するようお勧めいたします。これにより、便潜血検査では見つけられなかった病気を早期発見できます。